「はらぺこあおむし」(作:エリック・カール 訳:もり ひさし/偕成社)
ほとんどの保育園、幼稚園、図書館の児童書コーナーに置かれていて、高い人気を保ち続けている絵本「はらぺこあおむし」。その作者であるエリック・カールさんが2021年5月23日、米東部マサチューセッツ州にあるアトリエにて亡くなりました。死因は腎不全。享年91。
「はらぺこあおむし」はカラフルな色彩に加え、食べることは生きること、そして成長(幼虫からさなぎ、蝶へと変態)など教育的な側面がある一方で、作者自身の遊び心やイタズラ心も満載な仕掛けと、子どもが喜ぶさまざまエッセンスが詰まっています。
絵本が米国で出版されたのは1969(昭和44)年ですが、その後60以上の言語に翻訳され、5,500万部以上も発行され、世界各地で世代を超えて親しまれている名作です。
1969年版は遠い日本で作られていた
「はらぺこあおむし」はその紙質へのこだわりや、ページごとに幅が違っている装丁、ページに穴をあけたりなど複雑な仕様から、米国内の製本所や印刷工場では制作を断られ続けました。そんななか、仕様そのままの制作を請け負ったのは日本の印刷・製本会社でした。
実は最初の「はらぺこあおむし」は、はるばる遠い日本で誕生したのです。
日本語版は米国から7年遅れての1976(昭和51)年から偕成社より発売開始。
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